人間と自然
内向的な人間は自分自身の内面や人間そのものに興味を示す傾向があります。一方外向的な人間は自分自身より外部のことに興味を示す傾向があります。つまり自然などの外界です。
人間関係においても内向的な人間が興味を示すのは自分にとって意味のある個人であり、外向的な人間が興味を示すのは自分にとって価値のある社会や集団です。
内向的な人間は信頼や理解などの人間関係に比重を置くため、大勢でのあまり親密でない付き合いに浅薄なものを感じやすいはずです。
この人達と付き合って何か意味があるのだろうか。しょせんは薄っぺらい関係だ、などと思うことでしょう。
他方外向的な人間は人付き合いやグループへの所属自体に価値を感じるため集団で行動すること自体に意味があるのです。人間が集団で行動しなければならないことや社会生活をするのが当然なのでそもそも意味など考えないというわけですね。それが自然だからです。
だから外向的な人間から見れば仲間に入ってこれないこいつらは何がしたいのだろうか。当たり前の社会生活が出来ない奴らだと思うかもしれません。
内向的、外向的ときっぱり分けられるわけでもない
文学か科学かでも書いたとおり内向的と外向的をきっぱり分けられたとしても、内向的な人間と外向的な人間の関係はそれほど単純ではありません。
ここに書いたのはあくまで特徴に過ぎないのであり、ある部分では当てはまるが、ある部分では全く当てはまらないということも当然あります。
ここで知っておくべきことは外向的な人間なら有利だとか、内向的な人間なら有利だということはどちらもないということです。
例えば私が営業マンをしていたときのことをお話しましょう。
私はお客様と仲良くなるのが異常に早く、まわりの同僚が時間をかけて訪問を繰り返す中で一度会ってしまえばすぐに客にしてしまうようなタイプでした。すでに言ったように私は内向的です。1対1のアプローチが得意なのです。だから性格的に一見人付き合いが得意ではなさそうに見えても1対1の関係では相手の内面を理解し親近感を覚えてもらいすぐに仲良くなることが出来るのです。
自分は外向的でないから営業は向いてないかもしれないなどと思っていませんでしたか?
しかしそれは間違いです。熱狂的なファンを作れるのはたいてい内向的な人間なのです。営業は1対1で人間関係を結ぶ場合が多いので内向的な人間に向いていると言えます。
このように内向的な人間だから人付き合いで不利になるということはありません。
就職や転職では内向的と外向的にあまり固定的なイメージを持たないようにしましょう。
内向的な人間の長所
人付き合いが苦手なイメージのある内向的な人間ですが一体どのような長所があるのでしょう。これは仕事の適性とも関わってきますね。
内向的な人間の長所は下記のとおりです。
・一対一のコミュニケーションが得意
・相手の心理を理解するのが得意
・大勢の場所で多くの人とやり取りするより一人で集中するのが得意
・継続的に考え続けるのが得意
・ものごとの本質を深く掘り下げるのが得意
・思考を伴ったコミュニケーションが得意=文章が得意
・他人に影響されないでクリエイティブな才能を発揮しやすい
・自分の意見を貫き通すことが出来る
このように内向的な人間はコミュニケーションのすべてが苦手ななわけではなく、むしろ外向的な人間より優れた長所があるのです。
このことを理解した上で仕事の特徴などを考えましょう。